■ 質問事項と回答

Q. 解剖について                               

A. 「解剖」には、目的により大きく分けて3つの種類があります。                                   

(1)死後、すぐに病院で病変や死因を調べるための解剖(病理解剖)。                                  

(2)変死体を対象とした死因を調べるための法医解剖(司法解剖・行政解剖)。                                   

(3)大学に献体された遺体による解剖。                     

献体による解剖は、前者 (1) (2) と異なり、医学・歯学の学生が、正常な人体の構造を理解するための教育として行われる解剖になります。これを正常解剖 (系統解剖)といい医学・ 歯学教育の基礎といわれています。筑波大学白菊会では、献体として寄贈された遺体の解剖を医学生の教育はもとより高度医療技術者を目指す看護・医療科学の学生の教育も考慮した体制で臨んでおります。            

                                        

Q. 献体登録者の居住地について

A. 原則、居住地が茨城県内(60歳以上)の方に限らせていただきます。遠方の地域にお住まいの方は、近隣の大学医学部・歯学部に登録をお願いいたします。

 

Q. 家族全員の同意について

A. 献体登録されていても、献体実行の際、その遺志を実行するのは遺族であって、献体登録者本人ではござません。献体はご遺族全員の賛同が得られない場合は、献体を実行することができません。そのため献体登録時、予めご家族全員(親族1名以上をお願いします)の同意を得ることになります。なお、同意書に署名(押印)をいただく家族は、同居別居を問わず、配偶者、親、子、兄弟姉妹の方々すべてとなります。

 

Q. 手術歴がある場合の献体について

A. 解剖実習では生前に手術(内臓等の摘出)されても、学生は正常なご遺体と比較することで、より高い学習を得られることになるため、献体いただくことが可能となります。

 

Q. 献体できる条件について

A. 

自殺、溺死(浴槽内)、交通事故死、刺傷死などの場合はお引取りできません。
死後、時間経過によりご遺体が傷んでいる場合にはお引取りができません。通常、死後12日が目安となりますが、夏場で気温が高い場合等には1日でもお引取りできない場合があります。死後お引取りまで24時間を超える場合には、ドライアイスや冷蔵庫でご遺体を低温に保ってください。適切に対策がなされた場合はお引取り可能期間を数日間延長できることもあります。

ドライアイス等の対策はご遺族様で行ってください。

遠方での死亡などで、ご遺体の防腐処置(保存)ができない場合は、お引取りできません。

ご遺体の状態によるお引取りの可否につきましては個別に判断させていただきます。

B型肝炎、C型肝炎、HIVMRSA、結核、急性感染性肺炎、性感染症等の感染症に感染している場合はお引取りできません。
献体時に改めてご遺族全員の賛同が得られていることが必要です。なお、献体後はご遺族にご遺骨を返還するまで約2を要します。この点についても、ご遺族全員のご理解を必要とします。 
死後、病理解剖や臓器を提供される予定である場合は引取りできません。

 

Q. 通夜・告別式について

A.献体いただくにあたり、通夜・葬儀などを執り行うことはなんら支障ございません。この場合、ご遺体は通夜・葬儀などを執り行った後、本学に運ばれます。お迎えに上がった先が最後のお別れの場所となりますので、原則ご遺族の方は本学までご同伴いただけません。

 

Q. 遺体の引渡し(搬送)について

A. 勤務時間内(830分〜1715分)は、大学職員がお迎えに参ります。なお、時間外につきましては、引渡し場所まで大学から委託を受けた葬儀社(大鵬社)がお迎えにあがり、ご遺体を搬送します。この葬儀社費用は大学が負担します。病院(セレモニーホールで通夜、告別式)から自宅への搬送など、搬送先が筑波大学でない場合や家族で葬儀を行った場合の費用などは大学で負担することができませんので、この点、予めご了承願います。

献体によるご遺体の搬送は決して急ぎません。改めまして筑波大学へ献体実行することを納得いただき、ご遺族全員の総意であることをご確認願います。なお、十分にご供養(お通夜・告別式)されてから大学まで引渡しの依頼をお願いいたします)

 

Q. ※会員が亡くなられて、ご遺族がいない場合について

A. 解剖用死体交付証明書の交付

死亡診断書(または死体検案書)と死亡届を提出する役所に解剖用死体交付申請書を添えて提出(学長名)します。これにより市区町村長から学長にあてて解剖用死体交付証明書が交付されます。この手続は大学の職員が役所に出頭して行います。

この死体交付証明書につきましては、火葬する際の火葬許可証を兼ねておりますので、この書類により火葬することができます)

 

Q. 献体の際、大学で預からせていただく「埋火葬許可証」交付の手続きについて

A.「埋火葬許可証」をお取り下さい。これは医師の死亡診断書をそえて市区町村の役所へ「死亡届」を提出すると交付されます。その際、県内の方は最寄りの火葬場、県外の方は「土浦市営斎場」とご記入願います。火葬年月日は献体のため未定とお伝え下さい。

この書類は大学でお預かりさせていただきますが、火葬後ご遺族へ、ご遺骨と一緒にお返しいたします。

 

 

Q. 大学への引き渡し後の面会について

A. 原則、面会はご遠慮願います。これは、ご遺体をお預かりした後すぐに保存処理させていただき、実習まで厳重に保存管理するためです。ご遺族の方は大学への引渡しをされるまで、ご遺体に十分対面しておかれますようお願いいたします。

 

Q. 解剖実習後の火葬について

A. 献体いただいた方が県内にお住まいの場合は、最寄りの斎場(県外の方は土浦市営斎場)にて火葬させていただきます。ご遺族が火葬に立会を希望される場合、斎場にてご遺骨を返還いたします。なお、火葬等の費用は大学が負担しますので、ご遺族の負担はございません。

 

Q. 納骨堂を希望する場合のご遺骨の保管について

A. 原則、ご遺骨はご遺族に返還しておりますが、ご遺族から大学にご遺骨の保管依頼がある場合、学内の筑波大学白菊会納骨堂(慰霊塔)に、無償にてご遺骨を収蔵(永代供養)させていただきます。                    

                                                                         

Q. 献体登録した際の大学附属病院の紹介について                            

A. 献体は「献体の趣旨」に賛同する本人の強い意思が必要であって、死後、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することで成り立っております。その為、そのような便宜を図ることは一切できませんので、この点ご理解とご協力のほど、宜しくお願いいたします。