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H24 学外学修実施報告書:大森圭美

学外学修期間:2012年7月30日 - 2012年8月10日

渡航先:アメリカ合衆国, 南インディアナ大学

参加コース:精神科ナースプラクティショナー・コース

専門領域:精神看護学

Family Psychiatric Mental Health Nurse Practitioner (FPMHNP)コースの受講

 今回、米国南インディアナ大学の修士課程で行われているFPMHNPコースを受講する機会を頂きました。このコースは精神科領域における医療サービスを提供できるNurse Practitionerの育成を目的としています。Nurse Practitionerとは特定の分野における健康問題において、診断、治療、処方も含め、治療及びケアを提供することができる看護師です。日本においてはこのような役割を持つ看護師はいませんが、自身の専門分野である精神看護を追及するために参考になると思い、コースを受講しました。しかし、米国における看護師資格を得ていないため、臨床実習には参加できませんでした。
 講義は全てオンラインで行われ、学校から離れた場所に居住する人でも受講することが可能でした。毎週課される課題に沿い、診断基準、治療ガイドライン、近年の研究結果をクラスメイトと共有し、アセスメント、診断、治療的アプローチ、その理由について討論しました。この過程の中で、情報の発信・受信することの大切さを痛感するとともに、日本において看護師がアクセスできる情報源が十分に整備されているだろうかと疑問に思いました。特に、信頼のおける文献レビュー活用の重要性を再確認しました。筑波大学図書館から、これらのサイトを利用できる反面、看護領域ではあまり活用していなかったように思いました。時間の限られた臨床場面において、効果的な情報収集は必要不可欠な能力であることを強く再認識しました。
 精神薬理学については学部の教育から差が生じているように感じました。昨年看護学部の講義を受講しましたが、精神薬理学については個々の薬剤の特徴の説明に時間を割いていました。これは、日本の精神科看護教育が不十分であるということではなく、精神科薬は比較的新しい薬剤が多いこと、日本における医師と看護師の役わり分担も関係しているように思いました。しかしながら、看護師は薬剤や治療の効果をモニタリングすることも重要であり、精神薬理学の理解は重要であると感じました。
 また、医療、福祉制度や文化の違いにおける医療の在り方にも洞察を深めることができました。特に、南インディアナ大学のある地域は、トウモロコシ畑や林が何キロも続いており、病院のみならず消防や警察へのアクセスに時間のかかる地域もあります。また、医師の診察を受けるために予約をする必要もあり、特定の専門医の診察を受ける場合は、3-4時間かけ都市部にある病院へ出向くこともあります。そのため、特定の領域において治療・処方のできるNurse Practitionerはとても重宝されています。特に、医師と比較し、診察費用も割安であるため、医療費を抑えたい人には人気です。これは、医療保険制度が強く関係しています。日本においてもNPの導入が検討されていますが、日本の現状に合わせた制度の導入が重要だと強く感じました。
 最後に、今回は日米の比較研究をする機会にも恵まれた。大学院における自身の研究課題においても洞察を得る機会を頂き、とても感謝しています。

(学外学修レポートより)


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