甲状腺は首の前、のどぼとけのすぐ下にあり、重さが10〜15g、大きさが縦4cm、横4cmの臓器です。正面から見ると蝶の形に似ています。気管や食道とのつながりはありません。 甲状腺ホルモン(T3、T4)という体に必要不可欠なホルモンを造るのが甲状腺の唯一の仕事です。甲状腺ホルモンの働きは全身の代謝(新陳代謝)を活発にすることです。
甲状腺のホルモンについて
甲状腺のホルモンが出すぎると代謝が亢進しすぎて、体を動かさないのに脈が速くなる、熱が上がる、体重が減るということがおこります。逆に状腺ホルモンが足りなくなると、体が動かなる、脈が遅くなる、体温が低下気味になる、精神的に鬱の様な状態になるということがおこります。また全身のほとんどの細胞が甲状腺ホルモンに反応することが知られています。この様に甲状腺ホルモンは生きていくために必要不可欠なホルモンです。
そのため通常は脳の最も下に位置する脳下垂体という場所から甲状腺刺激ホルモン(TSH)というものが分泌され、甲状腺の分泌は調節を受けています。たとえば甲状腺が働かなくなると甲状腺ホルモンの分泌が低下します。その結果、血液中の甲状腺ホルモン濃度が低下し、脳下垂体はそれを感知して甲状腺刺激ホルモンをたくさん分泌します。反対に血液中の甲状腺ホルモン濃度が上がりすぎると脳下垂体は、それを感知して甲状腺刺激ホルモンの分泌を減らします。
甲状腺の病気
甲状腺の病気には大きく分けて2つ、腫瘍(しこり)と甲状腺の働き(甲状腺機能)の異常です。腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。その他に甲状腺に細菌感染がおこる病気などがあります。中には両方が同時におこる病気もあります。
- ・腺腫様甲状腺腫
- ・濾胞腺腫
- ・甲状腺のう胞
- ・プランマー病(機能亢進を伴うしこり)
- ・乳頭癌
- ・濾胞癌
- ・髄様癌
- ・低分化癌
- ・未分化癌
- ・悪性リンパ腫
- ・おもに機能亢進
- ・バセドウ病
- ・無痛性甲状腺炎
- ・亜急性甲状腺炎
- ・橋本病(慢性甲状腺炎)
- ・急性化膿性甲状腺炎