脳を構成するグリア細胞は、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアに大別されます。なかでもミクログリアは、アストロサイトやオリゴデンドロサイトとは発生起源が異なる細胞として知られています。従来、ミクログリアはウイルスや細菌感染時の免疫応答、また死細胞や老廃物を除去する細胞として捉えられてきました。しかし近年、ミクログリアが神経発生やシナプス形成、さらには神経活動の制御など、多岐にわたる機能を担うことも明らかとなりつつあります。さらにミクログリアは、脳実質にとどまらず、脳血管や髄膜など、脳境界領域の制御にも関わることが示唆されています。本セミナーでは、ミクログリアの起源や多様性について概説し、その後、私たちが発見した神経細胞からミクログリアへの微小核伝播について紹介していきます(Yano S et al. Nat Neurosci 2025)。さらに、ミクログリアへの微小核伝播がなぜ起こるのか、脳内環境の調節にどのように関わるのか、脳境界領域との連携をふまえた微小核伝播の生理的意義についても議論したいと思います。
第287回つくばブレインサイエンス・セミナー (2025年6月開催)
交通アクセス交通アクセス(筑波大学・医学エリアでの開催の場合)
(他に羽田空港、成田空港からの高速バスもございます)
会場ご案内会場ご案内(筑波大学・健康医科学イノベーション棟での開催の場合)