大学院

筑波大学大学院では、学生の個性と能力の伸長のために、従来の組織の壁を越えて幅広い学問分野の教員が協働して教育にあたることができるよう、2020年4月から従来の研究科・専攻による教育システムから、「学位プログラム」を中心とした新しい教育システムに移行しました。

「学位プログラム」とは:学士・修士・博士といった学位の称号と養成する人材像に応じて達成すべき能力を明示し、その能力を学生が修得できるように体系的に設計された教育プログラムのことです。

各学位プログラムの人材養成目的、アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーは、大学院スタンダードをご覧ください。

医学関連学位プログラム 修士課程

フロンティア医科学学位プログラム

フロンティア医科学は、医学部(医学類)以外の様々な卒前専攻領域を持つ学生に対して最先端の医科学教育を行うことを目的として我が国で初めての医科学修士課程として設置された、前身の「医科学研究科」から約40年の伝統を引き継いでおり、修了生は1500人を超え、医科学の幅広い分野で活躍しています。医科学に関する基礎から応用までの豊富かつ高度な教育研究を通して、医科学の学問領域において高度でグローバルな視点に基づいた研究を計画実行でき、医学に関する幅広い知識をもち優れた学際的な学術研究を計画実行できる研究者と大学教員、及び複合的な視点から人間を捉え、柔軟かつ適切な援助・支援を研究・設計して社会的ニーズに対応できる高度専門職業人を養成します。

公衆衛生学学位プログラム

WHOなどの国連機関に保健医療の専門家として就職するには、修士(公衆衛生学)が必須だといわれています。公衆衛生学学位プログラムでは、公衆衛生学研究者・教育者、公衆衛生行政官、産業医、企業の安全管理者などを育成します。科目としては、疫学、生物統計学、医療政策学、精神保健学、社会行動科学、環境科学などを学びます。筑波大学の公衆衛生学学位プログラムは、公衆衛生学の専門家とともに、広く保健医療の実務経験者、研究教育者を含めた包括的な教授陣による教育を受けながら公衆衛生学の専門家を育成するところに大きな特徴があります。

看護科学学位プログラム

看護科学学位プログラム博士前期課程では、学際的及び国際的な視点をもち、確かな倫理観と科学的根拠に基づいて看護を探究し、研究者として研鑽する姿勢を持った人材を育成します。また、看護研究・実践の基礎になる専門知識・技術・実践能力を備えた看護職者及び看護学教育を支える看護学教育者となりうる人材を育成します。

国際連携食料健康科学専攻

現在、国内外を通じて、様々な地球規模の課題を解決できる人材が要請されています。とりわけ、人類の生存課題である「食料」と「健康」は、「医食同源」に象徴されるような不可分な課題であり、「未病社会」の実現への鍵と言えるでしょう。食料に関わる健康障害や生活習慣病、食料の確保問題、さらに医療費削減など社会と密接にかかわる様々な課題がある中、農学と医科学の融合、そして、その成果を社会に還元できることが求められています。そこで、筑波大学では、国立大学の機能強化事業の一環として、農学と医科学を融合した、国際的かつ分野横断的な大学院共同学位プログラムを開設し、食料と健康という地球規模課題を解決できる高度職業人を育成します。

医学関連学位プログラム 博士課程

医学学位プログラム

医学学位プログラムは、医学全般に関する幅広い関心と視点を有し、学際性、国際性、倫理性に裏打ちされた優れた学術研究を計画実行し、その結果を社会に還元できる人材を養成します。研究のテーマには、発生、出生、成長・発達、加齢、老化、死という人間のたどるプロセスの中で生じるあらゆる生命現象の根本的理解やその過程で人間が経験する疾病の克服に向けた病態の解析および予防・診断・治療法の開発などが含まれます。

看護科学学位プログラム

看護科学学位プログラム博士後期課程では、次代に向けて必要となる新たな知識の創造と技術開発の基礎となる教育・研究方法について体系化できる力を備えた教育者、研究者、実践と理論の架け橋となる高度専門職者となりうる人材を養成することを目指します。

学際系学位プログラム 博士前期・後期課程

ニューロサイエンス学位プログラム

ニューロサイエンス学位プログラムは、国際標準の「ニューロサイエンス」の大学院教育課程として2020年4月にスタートしました。現在のニューロサイエンスは、脳の構造や機能を記述し理解するだけの学問ではありません。その研究対象は、心の働きのメカニズム解明、病気の診断や治療の開発、更には複雑な人間関係や社会の在り方の原理の理解にまで及び、様々な研究分野の方法論を統合して研究が進められるようになってきています。また、これらの問題の解決に社会から寄せられる期待も非常に大きく、海外の大学や研究機関では既にニューロサイエンスの専門家養成コースが用意され多くの人材を輩出しています。

学際系学位プログラム 博士課程

ヒューマン・ケア科学学位プログラム

パブリックヘルス学位プログラム

2020年度より、筑波大学大学院 人間総合科学学術院 人間総合科学研究群 3年制博士課程 ヒューマン・ケア科学学位プログラム および パブリックヘルス学位プログラムがスタートしました。2つの学位プログラムは、2001年に学際系専攻として開設されたヒューマン・ケア科学専攻を母体としています。当専攻は、教育学、心理学、体育学、保健学、医学、看護学など、人間の支援とケアに関わる従来の複数学問分野を統合して、20年間にわたり学際的な研究教育を行い、多様な人類的課題の解決に向けた研究能力を持つ人材を育成してきました。また2017年に、国立保健医療科学院との連携による国立大学法人で唯一の博士(公衆衛生学)プログラムを開始し、公衆衛生学に関わる学際横断の高度な専門知識と研究能力を持つ人材を育成してきました。これまでに当専攻を修了した学位取得者は220名を超え、その多くは大学・研究機関で研究者、高度専門職業人として活躍しています。

スポーツ医学学位プログラム

スポーツ医学に以下の観点から貢献でき、国際的にも通用する研究者や高度専門職業人およびこれらの人材を育てることのできる大学教員を養成します。

  • ・競技スポーツにおいて、科学的な見地から競技者の競技力向上に貢献できる人材。
  • ・生活習慣病や老化の予防を科学的見地から評価し、健康の維持・増進や疾病の予防・改善に貢献できる人材。

グローバル教育院SIGMA学位プログラム 5年一貫博士課程

ヒューマンバイオロジー学位プログラム

ヒューマンバイオロジー学位プログラム(HBP)は、文部科学「博士課程教育リーディングプログラム」の採択プログラムとして、2011年よりスタートした、5年一貫博士課程大学院コースです。HBPでは、ヒューマンバイオロジー(ヒトの生物学)に関わる多様な領域の学問を学び、この観点から地球上で生じている様々な問題について、課題を設定し、解決する方策を見いだし、これを克服していくことができるグローバルリーダーを養成します。

ヒューマニクス学位プログラム

本プログラムでは、生命医科学と理・工・情報学、両分野の知識を博士レベルまで極める、国内でも類を見ない先進的なカリキュラムを提供し、その専門力をもとに ZERO to ONE に挑戦できる卓越した博士人材を育成します。4年制学部出身者、医・歯・薬・獣医の6年制学部出身者、臨床医や企業研究員を含む実務経験のある社会人など、多種多様なバックグラウンドを持った学生が集う刺激的な環境の中で、両分野を語ることのできるランゲージを獲得し、独創的な融合研究に取り組む意欲のある方の応募をお待ちしています。

グローバル教育院SIGMA学位プログラム 博士前期・後期課程

エンパワーメント情報学プログラム

エンパワーメント情報学プログラムとは、博士課程教育リーディングプログラムとして、2013年度に文部科学省により新規に採択されました。本プログラムでは、「人の機能を補完し、人とともに協調し、人の機能を拡張する情報学」として、新たに「エンパワーメント情報学」を創設し、これからの人類社会にとって、安全性、利便性、心の豊かさの向上といった様々な観点から、人の生活の質を向上させる工学システムを創出できる人材の育成を目指しています。

ライフイノベーション(病態機構)学位プログラム

ライフイノベーション(創薬開発)学位プログラム

筑波大学ライフイノベーション学位プログラムは、日本と世界各国の優秀な学生に、イノベーション創出のきっかけとなるユニークな教育研究経験をするための機会を提供します。本学位プログラムは、つくば市や海外での素晴らしい学びの機会を提供し、6つの専門領域「病態機構、創薬開発、食料革新、環境制御、生物情報、生体分子材料」における世界有数の専門家と学生間の相互作用を促進します。

学位プログラム制への移行

2020年4月からの大学院改組再編により、これまでの8研究科85専攻という体制から、研究科相当の3つの「学術院」と専攻相当の6つの「研究群」に再編され、研究群の下に56の「学位プログラム」が設置される学位プログラム制に移行しました。この体制は、1つの学問分野だけでは問題が解決しにくくなっている現状を受け、幅広い学問分野が連携し、教育研究ができるようになることを目指したものです。