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国立台湾大学短期派遣留学報告書

松木 美知枝 : フロンティア医科学専攻 M1

専攻分野:遺伝子制御学

受入研究室:Dr. HY Chou 研究室

台湾短期派遣報告書


 今回私は、国立台湾大学に赴き、2週間学んできた。私が参加した台湾短期派遣プログラムは、コースに参加する日本人、台湾人全員が一つの実験室に集まり、台湾人と日本人がひとりずつペアになって一週間実験パートナーとして同じ実験を行っていくというCBTコースと、台湾大学の各研究室に各々配属され、ひとつのテーマを与えられて、ティーチングアシスタントを務める台湾人学生の支持のもとにデータを集め、週の終りに簡単な結果報告のプレゼンテーションを行うというラボローテーションの、2つのセクションからなるプログラムだった。
 国立台湾大学は台湾の首都台北の中心部に広大なキャンパスを構える伝統ある大学だった。台湾大学に在籍する学生たちは総じてレベルが高く、世間話をしているだけでも彼らの知性と教養を感じさせられた。ひとたび専門分野の話になると、私たちと同じく母国語ではない英語を流暢に使いこなし、バイタリティーあふれるスピーチで自分の意見を、30人はいるCBTコースの教室の真ん中で堂々と主張していた。また、友人同士の議論でもそこにはけんか腰のような気まずい雰囲気はなく(もちろん追求されている側は戸惑っているが)、議論が長引くとマイクを捨ててそこから学生同士で議論を深めていた。専門分野に対して自分の意見を持ち主張する姿は私に尊敬の念を抱かせ、自身も専攻の分野に関してより深いディスカッションができるよう、分野の勉強に励みたいという意欲をもらった。そして自分の意見があるのであれば納得いくまで主張するという、議論に対する積極的な姿勢を台湾大学の学生から学んだ。
 また、CBTコース、ラボローテーションの双方で台湾サイドとの綿密な連携が必要になり、必然的に英語を使わざるをえなかった。私は台湾に行った初期のころは英語でしゃべることがほとんどできず、実験についてディスカッションになっても、かろうじて内容を理解はしても発言できないためにそれには参加することができなかった。議論が白熱してくると、発言している両者ともが早口になり、リスニングも得意でない私はとうとう内容まで分からなくなった。その時間、議論した当人同士はもちろん、それを聞いていて理解した人たちにとっても何らかの収穫のある時間になったのに対し、英語力が足りないために私はその機会を逃してしまった。英語でしかコミュニケーションが取れない環境に身を置いたことで、英語というコミュニケーションツールを、自分の中でより実用的なレベルまで磨き上げる必要性を強く感じ、モチベーションアップにつながった。
 ただ、今回滞在した2週間という短い期間でも、自身の英語力の向上は少なからず感じられた。日本に帰国後、英語の論文を読んだ際、以前よりも内容が理解できるようになっていた。2週間滞在した中で、ほぼ一日中英語を使わざるをえない生活を経て、滞在期間終盤ではある程度英語でのコミュニケーションも可能になっており、読む、書く、聞く、しゃべることにおいて、英語の理解力がこのインターンシップを経験する前よりも上がっていることを実感した。国際共通語である英語を通じて、専攻分野の最新情報を常に得なければならない研究という仕事において、学術論文を読む際にも英語力は不可欠であるが、海外の研究者とコミュニケーションが取られるようになることで、より多くの研究者と意見を交わすことができることは、研究を進めていく上で大きなアドバンテージになると感じた。研究を通して実用的な英語力を身につけることは、生命科学分野における英語でのディスカッション能力につながると感じる。
 今回の短期留学に参加する以前は、インターネットの普及や海外への時間距離が短縮されてきている現在、日本国内にとどまっていても最新の技術の習得はほぼ可能であるだろうと思われ、海外留学に対する必要性をあまり感じていなかった。しかし、今回の短期留学を終えた現在、それでもなお海外留学は、研究職を志す上で必要であり有意義であるということを強く感じることができた。

(報告書より)



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