プログラムの内容 ケア・コロキウム

医学類・看護学類・医療科学類の学生で構成された小グループで、実際の症例を用いて、模擬多職種カンファレンスを行います。

 医学類・医療科学類・看護学類学生で構成された7 ~ 8 人の小グループで、1 週間じっくり時間をかけてチーム医療・患者のケアをテーマとした討論をテュートリアル方式で行います。具体的な患者のシナリオを用いて、その人がその人らしい生活を送るために、現場の様々な職種がどのように情報を共有し、各々がどのような役割を担い、連携する必要があるかを討論します。討論を通じて各専門職種の具体的な役割の理解を深める他、専門の異なる者同士の情報を共有の実際を体験しながらコミュニケーションの重要性とその難しさを実感します。

 つくば市に住む遠野祥子さん(62 歳、仮名)は、20 年前に2型糖尿病で通院しています。祥子さんは夫の俊雄さん(65 歳、仮名)と二人暮らしをしています。俊雄さんは糖尿病で網膜症で5年前に失明し、それ以来祥子さんが生活を支えてきました。 …(中略)祥子さんの目にも合併症がすすみ、視力が低下したため、炊事など家事をするのが難しくなってきました。

チュートリアルの様子、全体発表

学生レポートより

●今までは医療者がいかにして患者さんを治療するか、管理するかという見方をしてきことに気づいた。「患者さんへのケア」という観点から初めてじっくり考えてみて、重要なのは、いかにして患者さんの力を引き出せるかで、そのために各職種がどんな連携をする必要があるかを討論できた。

●患者さんの生命の質は生活の質であるのかもしれない。それを支えるための医師の役割は限られているかもしれないが、それは何かを考えさせられた。

●どの職種にも、専門を生かす職務がある一方で、その職務に気づくのはその専門職に限らないと感じた。例えば、医師は患者さんにどんな治療が必要かと考えるが、最も長い時間を患者さんと接する看護師が、患者さんからの希望を聞きだしたり、細かな変化を気づいたりするかもしれません。またはソーシャルワーカーが家族との関係や経済的な面からの治療方針への提案をするかもしれません。

●今までの医学類のシナリオをやってきた中で、こんなにシナリオからいろいろな意見が出て考えさせられたことはありません。

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