近年、少子高齢化などの社会の変化を背景として、医療に求められるニーズは大きく変化しています。医師に求められる役割は、薬や手術などで病気を治療することだけでは不十分であり、生活習慣病やこころの病いに象徴されるように、患者の抱える問題を全人的に捉え、心理社会的背景を考慮しながら最善のケアを提供することが求められています。
このような社会環境において、医師単独で患者のニードに合わせた複合的・包括的な医療サービスを提供することはもはや不可能であり、看護師やソーシャルワーカーなどの医療に関わる他職種との緊密な連携のもとでチーム医療を展開していくことが求められています。
筑波大学は、開学直後の1977 年から看護実習を導入するなど、チーム医療を意識した教育を実施して多くの実績を挙げてきましたが、医療を取り巻く環境の変化にいち早く対応し、社会の要請に応えられる医療人を養成するために、「チーム医療実践力育成プログラム」を導入しました。本プログラムの実施により、学生は医師の視点からだけではなく、他職種の専門性を深く理解したうえで、緊密な連携のもと、以下に示す「チーム医療実践力」を身につけることができます。
本プログラムのねらいは以下の通りです。