筑波大学医学医療系・分子遺伝疫学研究室は「ヒトゲノム多様性と疾患」をキーワードとして研究に取り組んでいます。

自己免疫疾患

膠原病の疾患感受性や臨床経過に関連する遺伝子の探索

当研究室では、ゲノムワイド関連研究(GWAS)やトランスクリプトーム解析(網羅的mRNA発現解析)に基づく解析、機能的候補遺伝子解析など、さまざまなアプローチで膠原病関連遺伝子を探索してきました。以下にいくつかの例をご紹介します。なお、最大の候補遺伝子とも言えるHLA遺伝子群については、膠原病におけるHLA遺伝子群の解析に示します。

I. ANCA関連血管炎の包括的遺伝子解析

難治性全身性血管炎である抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV) は最近増加しており、医療上の大きな課題となっています。

AAVは臨床病型により顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)に、ANCA特異性によりmyeloperoxidase (MPO)-ANCA陽性群、proteinase 3 (PR3)-ANCA陽性群に分類されますが、ヨーロッパ系集団とアジア系集団ではで大きな疫学的な違いがあり、ヨーロッパ系集団(特に北部ヨーロッパ)ではGPA、PR3-ANCA陽性群が多くを占めるのに対し、日本を含む東アジアでは、MPA、MPO-ANCA陽性群が大部分を占めます。

こうした疫学的な違いには、両集団の遺伝的背景の違いが存在すると考えられ、アジア系集団における遺伝子解析の推進が強く求められています。当研究室では、厚生労働省「難治性血管炎に関する調査研究」(研究代表者:橋本博史教授(順天堂大)、尾崎承一教授(聖マリアンナ医大)、槇野博史教授(岡山大)、有村義宏教授(杏林大)、針谷正祥教授(東京女子医大))や日本医療研究開発機構(AMED)「ANCA関連血管炎の新規治療薬開発を目指す戦略的シーズ探索と臨床的エビデンス構築研究」(研究代表者:針谷正祥教授(東京女子医大))「難治性血管炎診療のエビデンス構築のための戦略的研究」(研究代表者:有村義宏教授(杏林大))「難治性血管炎診療のCQ解決のための多層的研究」(研究代表者:針谷正祥教授(東京女子医大))の研究分担者として、日本の主要な血管炎診療・研究施設との共同研究により、アジア集団初のゲノムワイド関連研究、候補遺伝子解析、トランスクリプトーム解析などを用いた包括的な遺伝子解析を進め、これまでに、以下の報告を行いました。

  • HLA遺伝子について詳細な検討を行い、日本人集団において、HLA-DRB1*09:01-DQB1*03:03ハプロタイプが、臨床病型ではMPA、ANCA特異性別の分類ではMPO-ANCA陽性AAV群の疾患感受性と有意に関連すること、DRB1*13:02が疾患抵抗性に関連することを報告しました(Kawasaki et al., PLoS One 2016;11: e0154393 外部リンク)。また、PR3-ANCA陽性AAVでは、ヨーロッパ系集団同様、HLA-DPB1*04:01が疾患感受性に関連する傾向が認められました。興味深いことに、HLA-DRB1*09:01-DQB1*03:03ハプロタイプはアジア系集団には高頻度に存在しますが、ヨーロッパ系集団、アフリカ系集団にはほとんど見られないのに対し、DPB1*04:01はヨーロッパ系集団において高頻度に存在する一方、東アジア集団では稀なアリルです。集団のこのような遺伝的背景の違いがAAVの病型の違いの一因となっている可能性も考えられます。また、DRB1*13:02は日本人集団において複数の膠原病に共通の抵抗性アリルであることも見出しています
  • 転写因子をコードするETS1の3’非翻訳領域に位置し、ETS1発現低下に関連するSNV rs1128334A アリルがGPAやPR3-AAVの疾患感受性に関連することを報告しました(Kawasaki et al., J Hum Genet 2018; 63:55-62外部リンク)。
  • 重要な合併症である間質性肺疾患(ILD)合併の有無とMUC5BのSNVとの関連を見いだしました(以下参照)。

現在進めているAAVの包括的遺伝子解析から、さまざまな新知見が得られつつあります。

II. 膠原病に合併する呼吸器病変に関連する遺伝子の探索

膠原病や関節リウマチの多くに間質性肺疾患(ILD)、肺出血、肺高血圧、気道病変や感染症などの呼吸器病変が合併し、予後に大きく影響するため、リウマチ性疾患の臨床において、解決すべき大きな課題の一つです。

  • Philippe Dieudé教授(Paris Diderot University)代表研究者とする国際共同研究に、古川宏准教授(現所属:国立病院機構東京病院)が代表となる国立病院機構相模原病院共同研究グループとして参画し、特発性肺線維症関連SNVであるMUC5B上流領域のrs35705950が関節リウマチに合併するILDに関連することを報告しました(Juge P-A, et al., N Engl J Med 2018; 379:2209-2219. 外部リンク)
  • 日本人におけるMPO-ANCA陽性AAVでは、ヨーロッパ系集団と比較して、間質性肺疾患(ILD)の合併率が高いことが知られています。当研究室では、特発性肺線維症や関節リウマチ合併ILDに関連するMUC5B遺伝子上流のSNV rs35705950が、AAVにおけるILD合併に強く関連することを見いだしました(Namba et al. Ann Rheum Dis doi: 10.1136/annrheumdis-2018-214263.外部リンク)(プレスリリース外部リンク

    しかし、MUC5B rs35705950は日本人集団におけるアリル頻度が低いため、日本人においてILD合併率が高い理由を説明できません。現在、ほかのILD関連遺伝子の探索を進めています。

III. 候補遺伝子アプローチによる膠原病関連遺伝子の解析

機能的重要性、染色体上の位置など、さまざまな理由から疾患関連候補遺伝子と考えられる遺伝子をターゲットに、川﨑・土屋らが中心に、ゲノムDNA多様性解析と関連研究を行っています。以下にこれまでの成果の一部を示します。

Ⅰ型インターフェロン・パスウェイ関連遺伝子の関連解析

全身性エリテマトーデス(SLE)を始めとする膠原病では、臨床的観察や網羅的遺伝子発現解析により、病態におけるⅠ型インターフェロン(type I IFN)の重要性が示されています(Kyogoku, Tsuchiya. Genes Immun 2007;8:445-55外部リンク)。この情報に基づき、type I IFNパスウェイに関連する遺伝子の多型と疾患感受性との関連が、国内外において検討されています。私たちは、日本人集団において、以下の成果を報告してきました。

1) 日本人集団のSLE、全身性強皮症におけるinterferon regulatory factor(IRF)ファミリー遺伝子の関連研究

Interferon regulatory factor(IRF)ファミリー分子群は、Ⅰ型インターフェロンやインターフェロン誘導遺伝子群の発現誘導あるいは制御において機能する転写因子です。当研究室では、IRFファミリーを有力な候補遺伝子として解析し、以下のような結果を報告してきました。

  • IRF5 (interferon regulatory factor 5)はtoll-like receptor (TLR)シグナルやウイルス感染により活性化される転写因子で、type I IFNや炎症性サイトカインの誘導に関与します。IRF5には、直接機能的意義を有する複数の多型部位が存在し、ヨーロッパ系集団おいて、最初にIRF5多型とSLEの関連が報告されました。 私たちは、日本人集団におけるSLEとIRF5多型との関連を検討したところ、連鎖不平衡の違いにより、ヨーロッパ系集団におけるSLEリスクハプロタイプは日本人集団には存在しないこと、逆に、ヨーロッパ系集団には存在しないSNVにおいて、有意な関連が検出されることを報告しました。また、IRF5およびIFN関連遺伝子の発現とIRF5 遺伝型との関連が認められました。これらの知見より、IRF5が集団を超えたSLE感受性遺伝子であること、疾患関連バリアントには集団差が存在することが明らかになりました(Kawasaki et al., Arthritis Rheum 2008;58:826-34外部リンク)。
  • 日本人集団における全身性強皮症とIRF5バリアントとの関連を見いだしました(Ito et al., Arthritis Rheum 2009;60:1845-50外部リンク)。
  • IRF2は、一般的にⅠ型インターフェロン系を抑制すると考えられてきた遺伝子です。私たちは、IRF2遺伝子領域の包括的なSNV解析に基づき、イントロンに位置するSNVとSLEの疾患感受性との関連を初めて検出しました。予想に反し、感受性アリルはIRF2発現亢進に関連するアリルでした(Kawasaki et al., PLoS One 2014; 9: e109764外部リンク)。

2) TLR7(toll-like receptor 7)とSLEとの関連

TLR7は、一本鎖RNAを認識する受容体で、type I IFNを誘導します。X染色体に位置し、SLEモデルマウスであるBXSBでは、TLR7を含む領域のY染色体への転座が原因であると示唆されています。私たちは、TLR7を候補遺伝子として、SLEとの関連を日本人集団において検討し、以下の成績を報告しています。

  • 共同研究者であるBetty Tsao教授(Medical University of South Carolina)の呼びかけにより、東アジア集団におけるTLR7とSLEとの関連を検討する国際共同研究に参画し、3’非翻訳領域(UTR)に位置するSNVの関連を報告しました。このSNVは、TLR7 mRNAの上昇に関連します(Shen et al., Proc Natl Acad Sci USA 2010;107:15838-43外部リンク)。
  • 日本人集団においては、上述のSNVに加え、TLR7のイントロンSNVにおいてもSLEとの有意な関連が検出され、これは3’UTR SNVと独立にSLEに寄与することが見いだされました(Kawasaki et al., Arthritis Res Ther 2011;13:R41外部リンク)。

3) STAT4とSLE、全身性強皮症との関連

STAT4は、IL-12やtype I IFN刺激により活性化され、T細胞のTh1への分化、IFN産生誘導に関与する転写因子です。ヨーロッパ系集団において、SLE、RAとの関連が報告されました。私たちは、STAT4に関して、以下の報告を行ってきました。

  • STAT4領域および隣接するSTAT1領域の高密度SNVタイピングを行い、ヨーロッパ系集団同様、STAT4イントロンに位置するSNVとSLEとの関連を検出するとともに、日本人集団におけるリスクアリル頻度は、ヨーロッパ系集団と比較して顕著に高いことを見いだしました(Kawasaki et al., Arthritis Res Ther 2008;10:R113外部リンク)。
  • STAT4 SNVが全身性強皮症とも関連することを見いだしました(Tsuchiya et al., Ann Rheum Dis 2009;68:1375-6外部リンク)。

4) SPI(PU.1)の機能的多型とSLEとの関連

SPI1(PU.1)はEtsファミリーに属する転写因子であり、ミエロイド系細胞、リンパ球系細胞の分化に関与します。また、SPI1は、 IRF2、IRF4、IRF8と相互作用することが知られています。

  • 私たちは、SPI1のイントロンSNVとSLEとの関連を見いだしました。このSNVと強い連鎖不平衡にある3’UTRのSNVのリスクアリルは、データベース解析により、SPI1 mRNAの発現増強に有意に関連することが見いだされ、リポーターアッセイによっても確認されました。 このSNV含む配列をデータベース解析したところ、miRNAの結合部位がSNVによって変化し、リスクアリルではmiRNA結合モチーフが失われることが明らかになりました。実験的にも、SPI1 3’UTR配列を含むリポーターベクターとmiRNAとの同時導入にしたところ、miRNAが、非リスクアリルを含むリポーターベクターの発現を抑制する一方、リスクアリルの発現は抑制しないことが確認されました(Hikami et al., Arthritis Rheum 2011;63:755-63外部リンク)。
NF-ƙB活性化経路関連遺伝子群の関連解析

1) TNFAIP3, TNIP1とSLEとの関連

  • TNFAIP3がコードするユビキチン修飾分子A20は、さまざまな炎症性サイトカイン等の誘導に関与するNF-ƙB活性化に抑制的に働きます。また、TNIP1は、A20に結合するアダプター分子であるABIN-1をコードします。私たちは、これらの遺伝子と日本人SLEとの関連を検討し、いずれも関連が見られること、TNIP1のリスク遺伝子型頻度は、日本人集団において、ヨーロッパ系集団より顕著に高いことを見いだしました (Kawasaki et al., J Biomed Biotechnol 2010; doi:10.1155/2010/207578外部リンク, Kawasaki et al., Arthritis Res Ther 2010;12:R174外部リンク)。

  • 2)UBE2L3と全身性強皮症との関連

  • UBE2L3はユビキチン結合酵素をコードする遺伝子で、p53、c-FosやNF-ƙB p50のprecursorである p105のユビキチン化における関与が報告されています。UBE2L3多型とSLEの関連はすでに報告されていましたが、私たちは、UBE2L3多型と全身性強皮症との関連を、世界に先駆けて報告しました(Hasebe et al., Ann Rheum Dis 2012; 71:1259-60外部リンク)。

  • B細胞機能遺伝子群の関連解析

    自己抗体産生が特徴の一つである膠原病では、B細胞機能遺伝子群が重要な候補遺伝子となります。私たちは、B細胞機能遺伝子群を候補遺伝子として、膠原病との関連を解析してきました。

    1) 抑制型受容体Fcγ 受容体IIbバリアント (FCGR2B -Ile232Thr、rs1050501) と全身性エリテマトーデスとの関連

  • Fcγ受容体IIb (FcγRIIb,遺伝子はFCGR2B)は、細胞質内に抑制性シグナルモチーフ immunoreceptor tyrosine-based inhibitory motif (ITIM)を有する抑制型シグナル伝達分子で、B細胞や単球に発現します。
  • この受容体をコードするFCGR2B遺伝子は、ほかのFcγ受容体遺伝子であるFCGR2A, 3A, 2C, 3Bと縦列して1q23の領域に位置します。これらは、いずれもきわめて相同性の高い多重遺伝子ファミリーですが、特にFCGR2Cは、FCGR2Aと 2Bの不等交差によって生じた遺伝子と考えられ、FCGR2Bと2Cの上流側は、エクソンのみならず、イントロンや遺伝子間領域を含め、ほぼ100%の相同性が認められます。このために、FCGR2B特異的なバリアント解析はきわめて困難です。私たちは、FCGR遺伝子群に関して、以下の成果を発表してきました。

    • FCGR2Bに特異的な解析法を考案し、FCGR2Bの膜貫通領域に位置する232番目のアミノ酸をIleからThrに置換するバリアント(rs1050501)を見出すとともに、これがSLEと有意に関連することを見出しました(Kyogoku et al., Arthritis Rheum 2002;46:1242-54外部リンク)。この関連は、国内外の研究者により検証され、最近のメタアナリシスでは、集団を超えた有意な関連が確認されています(Willcocks et al., Proc Natl Acad Sci U S A 2010)。
    • 本田善一郎先生(現在お茶の水女子大学)、河野肇先生(現在帝京大学)との共同研究により、232IleのThrへの置換による機能的な変化を解析しました。FcγRIIbは、同じ細胞上に発現するB細胞受容体(BCR)と、抗原抗体複合物を介して共架橋されたときに、脂質ラフトにリクルートされ、また、抑制シグナルを伝達すると考えられて います。われわれの解析結果では、SLEに関連するFCGR2B-232Thrでは、静止状態、BCR-FcγRIIb共架橋下のいずれにおいても、脂質ラフトへの局在が有意に減弱していました。また、232Thr導入細胞で は、共架橋時のみならず、BCRのみを架橋した場合においても、抑制性シグナルの減弱が認められ、より強い活性化を示すことがわかりました(Kono et al., Hum Mol Genet 2005;14:2881-92外部リンク)。

    これらの結果は、SLEにおけるB細胞の過剰な活性化という病態と整合性を持つものと考えられます。また、膜貫通領域のバリアントが、ラフトへの局在やタンパク質の機能に影響し、多因子疾患感受性に関連する新たな機序を示すものとして、興味深い成果であると考えられます(Tsuchiya et al., J Hum Genet 2006; 51:741-50外部リンク、土屋尚之、本田善一郎、内科 2005; 96:1115-9)。

    B細胞受容体

    なお、免疫系には、上に述べたようなHLA、Fcγ受容体(FCGR)遺伝子群をはじめ、NK細胞やT細胞に発現するkiller cell Ig-like receptor (KIR)、白血球系細胞に広汎に発現するleukocyte Ig-like receptor (LILR)など、多数の多重遺伝子ファミリーが存在します。これらには、相同性の高いリガンド認識部位を持ちながら、活性化型、抑制型シグナルを伝達するペア型受容体が多数含まれ、免疫制御に重要な役割を担っています。

    多重遺伝子ファミリーは、遺伝子重複を繰り返して形成されたと考えられる、互いに相同性の高い多数の座位により構成されるため、機能的多様性が許容されやすく、疾患感受性遺伝子も多数存在することが想定されます。一方では、遺伝子相互の顕著な相同性、コピー数多様性を含む顕著な多様性のため、特異的なバリアント解析が困難な領域でもあります。また、KIR、LILRの一部はHLA-class Iをリガンドとすることから、HLAとの遺伝子間相互作用の検討も必要です。多因子疾患においては、未同定の遺伝因子が多数存在すると想定され、missing heritabilityと呼ばれておりますが、私たちは、免疫疾患においては、多重遺伝子ファミリー多様性がmissing heritabilityの一部を説明できるのではないかと推測しています。

    2) BLKとSLE、RA、全身性強皮症の関連

    2008年にヨーロッパ系集団におけるゲノムワイド関連研究により、染色体8q23.1に位置するFAM167A-BLK領域のSNPとSLEとの関連が報告されました(Hom et al., N Engl J Med 2008, International Consortium for Systemic Lupus Erythematosus Genetics, Nat Genet 2008)。BLK(B lymphoid tyrosine kinase)は、Lyn、Fynと共にSrc familyに属する、B細胞受容体(BCR)シグナル伝達に関わるB細胞特異的なチロシンキナーゼです。

    私たちは、日本人集団における関連解析を行い、強い関連を確認するとともに、リスクアリルは、ヨーロッパ系集団と比較して、日本人におけるアリル頻度が顕著に高いことを見出しました(Ito et al., Arthritis Rheum 2009;60:553-8外部リンク)。

    私たちはさらに、このSNVが、関節リウマチ(Ito et al., Ann Rheum Dis 2010;69:936-7外部リンク)、全身性強皮症(Ito et al., Arthritis Rheum 2010;62:890-5外部リンク)とも関連することを見いだし、BLK領域が複数の膠原病に共通する疾患感受性領域であることを明らかにしました。その後、マウスモデルを用いた研究でも、自己免疫疾患におけるBLKの役割が報告されています。

    3) TNFSF13 (APRIL)バリアントとSLEとの関連

    TNFSF13(APRIL)、TNFSF13B(BAFF, BLyS)は、B細胞上の受容体(BAFF-R、TACI、BCMA)に結合し、B細胞の分化・生存を誘導する分子です。私たちは、これらのリガンド・受容体群を候補遺伝子として関連研究を施行し、TNFSF13の2個所のアミノ酸置換によって規定されるハプロタイプとSLEとの関連を報告し(Kawasaki et al., Rheumatology 2007;46:776-82外部リンク)、機能解析を行いました(Mod Rheumatol 2012;22:541-9外部リンク)。

    IV. 国内の共同研究および国際共同研究

    Philippe Dieudé教授(Paris Diderot University)らとの多施設国際共同研究により、関節リウマチとSPP1遺伝子多型との関連(Gazel et al., Ann Rheum Dis 2015;74:e19外部リンク)を報告しました。また、寺尾知可史先生(京都大学)、Dieudé教授らとの共同研究による全身性強皮症GWASのメタアナリシスにより、GSDMA、PRDM1 との関連(Terao et al., Ann Rheum Dis. 2017: 76:1150-8外部リンク,)を報告いたしました。

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    ヒトゲノム、遺伝子多型、
    人類遺伝、自己免疫疾患、
    膠原病、
    全身性エリテマトーデス(SLE)、
    関節リウマチ、
    ANCA関連血管炎、
    全身性強皮症、病因解明、
    precision medicine

    〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1 電話029-853-2111(代表)

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