医療科学類について

学類長あいさつ

医療を取り巻く環境は、医学と技術の進歩、社会構造の変化、国際化などにより、大きく変容しています。その中で求められる人材もまた、多様化かつ高度化しています。

医療科学類では、医療の向上と発展に貢献する医科学領域の研究・教育を推進する人材および診断や治療に必要な新たな技術の開発とその実践を担う高度専門医療人材を養成します。また、国際的な視野を持った教育環境を整備することで、グローバルに活躍できる人材の育成にも力を注いでいます。

当学類は、国際医療科学類主専攻と医療科学主専攻の2つの主専攻体制をとっており、3年進級時に主専攻を決めます。国際医療科学主専攻では、医科学研究者として国際社会に貢献できる人材を育成できるように英語による専門科目も多く配置し、長期間の卒業研究を設定しています。医療科学主専攻では、研究マインドを持ち、現場でリーダーシップを発揮できる臨床検査技師の育成を目指し、必修科目履修にて臨床検査技師国家試験の受験資格を得られるようにカリキュラムを組んでいます。また、どちらの主専攻においても大学院へ進学する学生が多いのも当学類の特徴になっています。

卒業生の進路としては、大学院修了後、多くの学生が大学や国立研究所、企業の研究職や開発職などに進んでいます。海外の研究機関で活動する卒業生も多くなってきました。また臨床検査技師として、大学附属病院、公立病院、私立病院、クリニックなど、幅広い医療機関や臨床検査会社でも活躍しています。最近では、多様な企業や官公庁に進む卒業生も増えてきました。

医学・医療の世界には、まだ解決すべき課題が数多く残されています。当学類で学ぶ皆さんが、志を同じくする仲間とともに、夢を実現すべく、医学・医療の未来を切り拓いてくれることを願っています。

医療科学類学類長
渋谷 和子

人材養成目的

医学・医療の様々な分野で活躍するために必要な医科学の基礎的な知識、技能を修得し、医療人としての使命感と責任感を身に付け、将来、医療の向上と発展に貢献する医科学領域の研究・教育を推進する人材および診断や治療に必要な新たな技術の開発とその実践にかかわって高度専門医療を担う人材を養成します。

求める人材

医科学の分野に強い関心をいだき、医科学分野の研究や医学・医療分野の検査技術において国際的に活躍する意欲を持つとともに、チーム医療での役割を理解し、行動することができる柔軟性を持った人材を求めています。

医科学教育のパイオニア

わが国における医科学教育は、1979年に筑波大学に設置された医科学研究科と、大阪大学に設置された医学研究科医科学専攻から始まります。それまで医学を学べるのは医学部医学科に限られていましたが、医科学修士課程の制度により、工学部や農学部などで学んだ人材が大学院で医科学を学ぶことができるようになりました。その後、他大学に医科学修士課程が設置されるまでの約20年間、両大学はわが国の医科学教育をリードしてきました。

筑波大学では看護・医療科学類を設置する際に、教員組織を一体化して医学類と医療科学主専攻(現在の医療科学類)の両方の教育に多くの教員が携わる体制を構築しました。また大学院の専攻を医学と保健学に分けることはせず、学士課程から修士課程まで続く医科学教育を実現しました。医療科学類で医科学を学んだ人材は、次の時代の医学研究をリードしていくと確信しています。