医療科学類について

あなたは、どのルートを選びますか

人々の健康に貢献する。自分の人生をこの目的に捧げようとしたとき、大まかに4つのルートが想定されます。代表的な3つは、医学、歯学、薬学の課程を修めて、医師、歯科医師、薬剤師として貢献するルートです。そしてもう一つは、工学や農学などを学んで、医療専門職ではない立場から貢献するルートです。医師、歯科医師、薬剤師の他にも医療専門職はいますので、4つのルートに加えて、そうしたルートもあります。

医療科学類は新たなルートとして、医科学のルートを提案します。医学と医科学のルートは同じ方向性をもっていますが、医科学のルートは医学研究を通して人々の健康に貢献するものです。長い医学の歴史の中で、医師のみが医学研究を進める時代から、医師ではない研究者も医学研究を行う時代になりました。医療科学類は、医科学教育のパイオニアとして、新たな価値を生み出す人材を養成しています。

人材養成目的

医学・医療の様々な分野で活躍するために必要な医科学の基礎的な知識、技能を修得し、医療人としての使命感と責任感を身に付け、将来、医療の向上と発展に貢献する医科学領域の研究・教育を推進する人材および診断や治療に必要な新たな技術の開発とその実践にかかわって高度専門医療を担う人材を養成します。

求める人材

医科学の分野に強い関心をいだき、医科学分野の研究や医学・医療分野の検査技術において国際的に活躍する意欲を持つとともに、チーム医療での役割を理解し、行動することができる柔軟性を持った人材を求めています。

医科学教育のパイオニア

わが国における医科学教育は、1979年に筑波大学に設置された医科学研究科と、大阪大学に設置された医学研究科医科学専攻から始まります。それまで医学を学べるのは医学部医学科に限られていましたが、医科学修士課程の制度により、工学部や農学部などで学んだ人材が大学院で医科学を学ぶことができるようになりました。その後、他大学に医科学修士課程が設置されるまでの約20年間、両大学はわが国の医科学教育をリードしてきました。

筑波大学では看護・医療科学類を設置する際に、教員組織を一体化して医学類と医療科学主専攻(現在の医療科学類)の両方の教育に多くの教員が携わる体制を構築しました。また大学院の専攻を医学と保健学に分けることはせず、学士課程から修士課程まで続く医科学教育を実現しました。医療科学類で医科学を学んだ人材は、次の時代の医学研究をリードしていくと確信しています。