カリキュラム

研究大学ならではの卒業研究

医療科学類での学びの集大成である「卒業研究」は同時に、大学院における研究のスタートラインにもなります。医療科学類の教育に携わる教員は、教員組織である「医学医療系」に所属しています。そして、患者さんのための医学である臨床医学、この臨床医学を土台から支える基礎医学、マクロな視点をもった医学である社会医学の研究を行っています。医療科学類での学びを深めていく中で、様々な研究分野の教員と出会い、ともに研究を行うことができます。

卒業研究に向けた学び

卒業研究に向けてどのように学びを深めていくのか。医療科学類では、100科目を超える授業科目を開設して医科学を教授しています。「医科学類」ではなく「医療科学類」である理由は、臨床検査学に関係する講義や実習も用意しているからです。臨床検査学は、基礎医学と臨床医学をつなぐ学問として位置づけられます。このため、臨床検査技師国家試験の試験科目である、病理組織細胞学、臨床生理学、臨床化学、臨床血液学、臨床微生物学、臨床免疫学を学ぶことは、基礎医学と臨床医学を学んでいることになります。

教育と研究の融合

医療科学類の教育の土台は、臨床検査学に関係する講義や実習です。教科書に載っている先人たちの研究成果は、講義で学びます。すでに確立されている臨床検査技師に求められる技能は、実習で学びます。こうした技能の多くは、臨床検査の現場だけではなく、研究の現場でも役立ちます。INPUTした知識や技能を土台にして、新たな知見を得ることを目指します。つまり、教育と研究の融合です。卒業研究や研究演習、主体性演習などの探究活動は、教室や実習室を離れて行います。教員との議論や学生同士の議論を通して、OUTPUTを経験します。

一人ひとりの進路に応える

3年次進級の際に、主専攻を選択します。「医療科学主専攻」には多くの必修科目が設定されており、卒業研究や臨床実習を含む37科目の専門科目が必修になっています。こうした医療科学主専攻の履修科目は、研究ができる臨床検査技師の養成を目的に編成されています。一方、「国際医療科学主専攻」の必修科目は少なく設定されており、卒業研究や研究演習を含む7科目の専門科目しか必修になっていません。このため、国際医療科学主専攻では、自分の進路に合った授業科目をカスタマイズすることができます。「研究」や「国際」により重点を置くために、臨床実習を選択しないこともできます。

臨床検査学教育のフロントランナー

臨床検査技師国家試験の受験資格が得られる大学は60校を超え、そのうち国立大学は20校あります。その多くは歴史のある大学であり、新設医大に分類される大学はわずか2校です。筑波大学は歴史の浅い大学でありながら、医科学研究科と時を同じくして、医療技術短期大学部を設置しました。現在は、フロンティア医科学学位プログラム、医療科学類として、連携しながら他大学にはない医科学教育を行っています。また、臨床検査学教育を担う大学として唯一、医療科学類が文部科学省「課題解決型高度医療人材養成プログラム」に選定されたことも特筆すべき点です。