初期研修(スーパー・ローテート)・後期研修
麻酔科医としての専門教育に必要な要素は、麻酔症例を安全に管理することを繰り返し得られる経験と、我々より経験豊かで深い知見を有する者より得られる知識が必要です。筑波大学附属病院では、大学病院として豊富な術式と症例数を有しており、開心術、新生児、肝・腎移植など特殊な麻酔症例も含め偏りの無い研修を受けることができます。また、緊急CABGや破裂大動脈瘤などの緊急症例も経験することができ、気管挿管、硬膜外麻酔はもとより肺動脈、中心静脈カテーテル、経食道心エコー、分離肺換気、気管支鏡下経口・経鼻挿管など多岐にわたる手技を習得することができます。術後疼痛対策には、必要症例に対しPCA(Patient
Controlled Analgesia)ポンプを装着し、患者様自身が自ら痛みをコントロールできるシステムを導入しています。
日々の麻酔症例を通じ、上級医とのディスカッションの中から学ぶのに加え、当科では知識の整理と最新の知見を得るため、以下のカンファランスやレクチャーを定期的に開催し、研修医の効率良い知識の習得を支援しています。
筑波大学附属病院 麻酔科管理症例数
診療科 | 内訳 | 2017年度 | 2018年度 |
循環器外科 | | 396 | 426 |
| OPCAB | 26 | 36 |
| 成人人工心肺 | 167 | 168 |
| 小児人工心肺 | 52 | 54 |
| 小児バイパス、シャント | 14 | 20 |
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消化器外科 | | 714 | 649 |
| 食道切除 | 27 | 32 |
| 腎移植 | 16 | 11 |
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呼吸器外科 | | 290 | 296 |
| 気管支ステント・気管腫瘍焼灼 | 4 | 6 |
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循環器内科 | | 88 | 84 |
| TAVI | 36 | 43 |
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小児外科 | | 572 | 514 |
脳神経外科 | | 487 | 571 |
整形外科 | | 763 | 751 |
産婦人科 | | 346 | 318 |
泌尿器科 | | 511 | 519 |
耳鼻科 | | 442 | 438 |
形成外科 | | 340 | 332 |
乳腺甲状腺外科 | | 488 | 475 |
眼科 | | 148 | 127 |
歯科口腔外科 | | 269 | 259 |
皮膚科 | | 63 | 68 |
精神科 | ECT | 658 | 604 |
その他 | | 246 | 319 |
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| 新生児 | 53 | 55 |
| 乳児 | 174 | 190 |
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合計 | | 7335 | 7252 |
■火曜~金曜 朝のケース・カンファランスと英文誌抄読会
朝8:00分、けやき棟3階手術部内視聴覚室に集合し、その日の症例提示とディスカッションを行います(15分間)。当直時間帯の報告、連絡の後、英文誌の抄読会(約15分)を行っています。これはスタッフ、レジデントが順番で英文雑誌の最新号から論文1編を選び、約15分で内容を概説するものです。英文誌抄読会はあるものの、当科のように連日行っているところは少なく、知識の整理やリフレッシュに役立ち、研究のヒントをもらうこともしばしばです。
■レジデント・レクチャー
主に毎週水曜日の夕方より、初期研修医、後期研修初期のレジデントを対象にレクチャーを行っています。これはレジデント教育を一義的に企画された内容で、研修早期に是非とも習得すべき必須の内容を中心に構成されています。
レジデントレクチャーの演者とタイトル
教官名 |
タイトル1 |
田中 誠 | 硬膜外麻酔の安全性/高血圧患者の麻酔 |
猪股伸一 | 痛みの治療/痛みの機序 |
山本純偉 | 産科麻酔 |
山下創一郎 |
Difficult Airway Management |
清水雄 | (毎回変えています) |
叶多知子 | 気管挿管と気道確保 |
石垣麻衣子 | 術前診察 |
山田久美子 | 末梢神経ブロック |
植田裕史 | CV挿入-実践編- |
田地慶太郎 | 周術期の輸血・凝固管理 |
■月曜カンファレンス
毎週月曜日の朝7:45~、手術室内視聴覚室
S2フィックスレジデント以上の学内・外の麻酔科医局員が、自身の研究テーマ、特異な診療経験、最近の麻酔関連の話題等について発表を行います。また、医局外より招聘した演者に講演を依頼することもあります。昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、ZOOMを用いたオンライン講演および毎回の講演内容がダウンロードできる体制になっています。(ZOOMのアドレスは毎回変更しています)
■水曜日夕刻の case management conference
水曜日のケース・カンファランスは、合併症の多い患者の麻酔プランの検討や、周術期合併症の検討を行います。他科からのコンサルテーションも周知し、必要に応じ外科系診療グループと合同で診療プランの作成、帰室病棟や術後管理の検討、予後の判定等行っています。
その他の勉強会
心臓麻酔専門医を目指す会、小児麻酔勉強会などが行われている
心臓麻酔専門医を目指す会主催の人工心肺勉強会の様子
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