学類長より

看護学類長からのメッセージ

筑波大学は、豊かな自然に恵まれ、総合大学として学類を超えたつながりがあり、自由に楽しく学習することのできる環境があります。医学専門学群 看護学類は平成15年に開設され、筑波大学の中では新しい学類ではありますが、大学院へ進学する人も多く、医療・教育・行政の場で広く活躍しています。

看護学類では、卒業後に看護職(看護師、保健師、養護教諭)を目指す、あるいは大学院を経て助産師を目指す、研究者・教育者を目指すなど、保健医療福祉や教育の分野で指導的役割を担い、世界で活躍できる人材を養成しています。

看護とは、人々の健康の保持増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和を行い、生涯を通してその人らしく人生を全うできるよう、その人のもつ力に働きかけながら、支援することを目的とした活動です。あらゆる年代の個人、家族、集団、コミュニティが対象としていることから、看護学類では、生命の尊厳と人権を理解し、豊かな人間性を身に付け、看護職となる基盤を形成することができる能力を育てたいと考えています。

看護学類の1,2年次には、幅広い人間理解と教養を身につけ人間としての成長に必要な総合科目や基礎科目を学修します。また2,3年次には、看護専門職者になるための基礎的な科目を「心と行動の科学」「人間と生命科学」「生活支援学」の3領域から学修します。3年次の看護学の実習が始まる前に、知識、技術の確認を行い、自信をもって実習に臨めるようにOSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力評価)を行っています。4年次には、医学類、医療科学類の学生及び東京理科大学の学生と一緒に小グループをつくり、患者・家族のケアに多職種が関わるケースシナリオをもとに、ケースのケアについてディスカッションにより進める専門職種間のPBLチュートリアル(ケアコロキウム)を実施しています。また、国際的な志向や語学力を高めるために、アメリカ、ベトナム、モンゴル等において、国際研修等の機会を設けています。

また、看護学類では、平成24年度から養護教諭養成課程、保健師養成課程を選抜制にしています。養護教諭課程、保健師養成課程は、主に4年次に実習等を行いますが、養護教諭や保健師を選択しない学生には、看護系大学の卒業生に求められている応用能力、研究的視点の育成を目指して「看護学の探究」という科目を設けています。「看護学の探究」では、学生が看護の専門領域に分かれて、少人数制のゼミ形式で演習を進めます。学生の興味や関心のある関するテーマについて、多面的な視点で、客観的に、看護について探究していきます。

少子高齢化、環境の変化、自然災害、そして新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、生活様式や価値観が変化しています。これまでに経験したことのない社会問題や健康障害が生じており、どうしてもネガティブな部分がクローズアップされていますが、このような時代だからこそ学べること、できることがあるのではないでしょうか。看護学類では、学際性、国際性、コミュニケーション能力、高度な専門性を身に付け、深い探究心をもち、看護のイノベーションを創生したいという、チャレンジ精神をもっている人をお持ちしています。

看護学類長岡山 久代