教育

教育理念

科学性と共感性を基盤とした看護学の専門能力を身に付け、保健、医療、福祉、教育、心理など多職種チームの一員として人々の健康生活の向上や改善を図り、広く人類のウェルビーイングに貢献できる人材を育成します。また、 教育者、研究者、管理者としてそれぞれの専門分野で指導的役割を担い、国内はもとより世界で活躍できる人材の育成を目指します。

教育目標

4年間を通して一般的な科目(基礎科目)、専門的な教育科目(専門基礎科目、専門科目)が以下の教育目標を基盤として構成されています。
筑波大学の特長のひとつとして他学類あるいは他学群の授業を受けることができます。

  • 基本的人権を擁護し、受容・共感できる豊かな人間性を養います。
  • 高い倫理観に基づいた行動ができる能力を養います。
  • 看護専門職に必要な知識・技術を習得し、適切な判断で看護活動が展開できる能力を養います。
  • 人々の健康生活を援助し、QOLの向上に貢献できる能力を養います。
  • 社会情勢の変化や科学技術の進歩に適応し、新たな看護を展開できる能力を養います。
  • 保健医療福祉などの関連領域の人々と協働し、リーダーシップを発揮できる能力を養います。
  • 研究的素養を育みつつ、生涯にわたって学習を継続できる能力を養います。
  • 国際的な志向を有し、グローバル水準に対応できる能力を養います。

カリキュラム

授業科目

看護学のカリキュラムは「人間」、「健康」、「環境」そして「看護」の4つの柱によって構成されています。看護学類では「人間」の生の営みにおける看護の役割を理解しやすいように「環境」を「生活」という概念で捉え直し、看護学の主体性を明確にしつつ、視野の拡大と専門性を深めるために医学、心理学、社会学などとの連携を図ったカリキュラムで学びます。専門基礎科目では「こころと行動の科学」「人間と生命科学」「生活支援科学」を3本柱として、人間の多様性と幅広い価値観などについて学びます。

専門科目は「生活援助基礎」「看護実践科学」「応用看護学」から構成され、また、看護の探究に関する科目、そして選択として保健師、養護教諭に関する科目を開設します。「生活援助基礎」では看護の基本となる基礎技術を実習により習得するとともに看護生命倫理、フィジカルアセスメント、生活援助論などの理論を、「看護実践科学」では地域看護学、成人看護学、精神看護学、高齢者看護学、母性看護学、小児看護学などの 理論と実践技術を習得し、「応用看護学」では、在宅看護、国際保健、研究方法などを学修します。さらに医療チーム連携演習(ケア・コロキウム)では医学類や他学類において医療・福祉に関連した科目を学ぶ学生たちとともにチーム医療を学びます。


カリキュラムポリシー

学士(看護学)に係る学修成果を身に付けるためのプログラムとして、次の方針に基づき教育課程を編成・実施します。

総合的な方針

総合大学の特性を生かして、他学類の学生と総合科目・専門導入科目などを通じて学習交流できる場を提供しています。理論と実践が乖離しないように、学内の演習では、現職の臨床看護スタッフを招き、現状での最先端技術に対応できるような、現実に即した実践能力の向上を目指した教育を行なっています。また、実習においては附属病院、県内の施設との連携を深め、最新の医療・ケアの体験を通して学ぶ機会をつくっています。

順次性に関する方針

1年次・2年次では、看護の専門的な役割理解を中心に、看護の基盤となる「生活援助科学」を学習の起点とし、専門分野の学修に結びつくようなカリキュラム構成としています。また、看護の専門基礎科目を充実させ、広い視野に立って看護学の専門性が理解できるような工夫も行っています。3年次から4年次にかけては、看護実践科学(臨床看護学、精神看護学、高齢者看護学、母性看護学、発達看護学)の学びによって、各分野のエビデンスに基づいた高度専門技術を学修します。学修支援として、客観的臨床実技試験(OSCE)などを実施し、技術習得の向上を図っています。また、地域看護、在宅看護の学びによって、保健医療福祉行政などの知識を修得します。さらには、グローバルな人材育成を目指すため、国際保健学、看護学、国際看護研修などの学びを通して、国際的な視野に立った看護実践を学ぶ機会を提供しています。また、看護の専門領域について、これまでの学習を活用し、看護実践について探求する科目を行っています。

実施に関する方針

自ら学ぶ態度と習慣をつけ、未知の問題を解決する能力を養うために、少人数制によるテュートリアル方式を採用した演習・実習を行っています。これらの学習を支援するために、いつでもどこでもコンピューターネットワークを通じて、効果的な学習支援が可能なe-learningの充実を実施し、それらの学習成果を自己点検できるように、インターネットを通じて試験が可能なIBTなどの導入を図り、情報環境の活用による学習のサポート体制を整備しています。また、教員の教育力のアップを図る目的で、ファカルティ・ディベロップメント(教授法の向上を目指した教員研修会)を積極的に実施しています。

学修成果の評価に関する方針

各授業科目では、担当教員が厳正な教育評価を実施しています。

科学的根拠に基づいた知識や技術は、専門基礎、専門科目の講義での学習成果について、試験やレポート等によってその到達度を客観的に評価します。

高度看護専門職にふさわしい倫理観と態度は、専門基礎、専門科目の講義、演習も試験やレポート等により客観的な評価を行い、また実習のなかでは複数人の担当教員により到達度を評価します。

学習に対する主体性や未知の問題の解決能力、生涯にわたる自己学習を継続する能力は、専門科目である看護学の発展領域の科目の学習成果ならびに看護学の探究演習で評価します。

国際的な動向の理解、多様な視点から看護の役割を探求する能力は、国際保健学、国際看護学等の試験やレポート等により客観的に評価します。

特色

看護の専門性に合わせてコース選択を行うことができます。つまり看護師免許の受験資格は基本的資格要件として全員が資格取得可能なカリキュラムとし、その他、保健師コース、養護教諭コースを選抜制で設けています。

ディプロマポリシー

筑波大学学士課程の教育目標に基づく修得すべき知識・能力(汎用コンピテンス)を修得し、かつ本学群・学類の人材養成目的に基づき、学修の成果が次の到達目標に達したと認められる者に、学士(看護学)の学位を授与します。

  • 教養教育(リベラルアーツ)の学習に裏付けられた専門科目を修得している。
  • 科学的根拠に基づいた知識・技術、および高度看護専門職にふさわしい倫理観と態度を身につけている。
  • 自ら新たな知識・技術を学ぶ態度と習慣を身につけ、未知の問題を解決する能力を獲得している。
  • 生涯にわたって自己学習を継続する能力を備えている。
  • 国際的な動向の理解、多様な視点から看護の役割を探求する能力を身につけている。