筑波大学 腎泌尿器外科・男性機能科

研究上の重点的な取り組み

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 1.修飾型BCG製剤作成に関する研究
 2.泌尿器癌の遺伝子解析と転移再発機構に関する研究
 3.膀胱発癌モデルにおけるセンダイウイルスベクター(HVJ-E)膀胱内注入療法の効果
 4.がん予防に関する研究
 5.末梢神経障害による神経因性排尿障害に関する研究

修飾型BCG製剤作成に関する研究

 ツベルクリン反応にも用いられるBCGの膀胱内注入療法は、膀胱癌の治療効果や長期再発予防効果が確立した優れた免疫治療です。しかし、BCGは弱毒化した生きた結核菌であることから、まれに全身への結核菌感染をおこす可能性があります。そこで、非細菌製剤の開発が重要であると考えました。重要な役割をする細胞壁成分のみを結核菌から抽出し、癌細胞への作用を高めるための修飾を加えた製剤を他大学や企業と共同開発し、将来の臨床応用を目標に研究を進めています。

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泌尿器癌の遺伝子解析と転移再発機構に関する研究

 腎癌の転移機構に関わる細胞接着分子の役割について、臨床材料を用いて分子生物学的に検討しており、腎癌転移の予測やその分子機構の解明を目標として、血液中腎癌細胞検出のための分子マーカーの検討ならびに腎癌組織の遺伝子解析を他施設共同研究で行っています。遺伝子解析では網羅的解析手法を用いて、新規の遺伝子の同定やその機能解析を行っており、将来的な治療薬開発も視野にいれています。

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ラット膀胱発癌モデルにおけるセンダイウイルスベクター(HVJ-E)膀胱内注入療法の効果

 BBNラット発癌モデルにおけるセンダイウイルスベクター(HVJ-E)の抗腫瘍効果を調べたところ、膀胱内に発癌させたラットにHVJ-E膀胱内注入を行うことで、膀胱発癌が抑制されることが示唆されました。現在、そのメカニズムを解析し、膀胱腫瘍の治療に応用できるか検討しています。

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がん予防に関する研究

 当グループでは、前立腺がんと膀胱がんの予防に関する研究を進めています。前立腺がんの予防では、大豆イソフラボン類の摂取量が多くなるほど前立腺がんのリスクは低下し、大豆イソフラボンの一つであるダイゼインをエコールへ代謝する能力が低いと前立腺がんになりやすいことが明らかになっています。(この研究は、文部科学省・がん特定領域研究として進められています)緑茶抽出物や抗男性ホルモン剤による前立腺がん予防の基礎的、臨床的検討も行っています。

 一方、再発を繰り返す膀胱がんに対しては、予防がきわめて重要です。BCG膀胱内注入療法は有力な予防法ですが、高齢者では結核感染などのリスクがあります。われわれはより安全性の高いBCG製剤や新規免疫療法の基礎的研究を進めています。

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末梢神経障害による神経因性膀胱に関する研究  

 膀胱の収縮力が不良となる末梢神経障害による神経因性膀胱に対する治療選択肢は現時点ではかなり限られています。

 この辺を打開するために、末梢神経障害による神経因性膀胱の病態に対する基礎的検討を行なっています。

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