NURSING &
HEALTH SCIENCES
看護・健康科学域
看護学と健康科学の融合により、人間の健康を科学的に探究し、持続可能な健康社会の実現に挑戦します。
看護理工学・ウィメンズヘルス看護学
月経周期に伴う心身の不調は扁桃体の過剰な活動に起因し、感情や身体反応に影響を及ぼすとされています。我々は自律神経の変化などの生理学的指標からストレス反応を捉え、心身の状態を客観的に可視化する技術の開発に取り組んでいます。
また、加齢や妊娠・出産に伴う骨盤底機能の変化をエコーで可視化し、尿失禁予防やセルフケア支援にも活用しています。
このような看護・医学・工学・理学の学際的な連携により、女性の変調を多角的に評価し、日常生活で活用可能なヘルスケア支援システムを構築することでライフサイクル全体にわたる女性の健康支援に貢献することを目指します。


がん看護学・ケアシステム
がん看護学・ケアシステム研究領域では、がんの予防から治療後のサバイバーシップ、終末期ケアに至るまで、多様ながん看護の課題に取り組んでいます。
また、ビッグデータを活用した地域医療・介護分野のケアシステムに関する研究も専門としています。
最近では、地域で患者や家族、医療関係者らが使用できるAIシステムの開発を進めており、今後も医工連携や国際共同研究を推進し、看護やケアシステムの質向上を目指していきます。

国際発達ケア・発達支援看護学
当研究室 で取り組んでいる主な研究は、以下の通りです。
- 遠隔診療やリモートでのケア提供に関する実態調査ならびに実装研究
- 慢性疾患とともに生きる小児のQOLに関する研究
- 慢性疾患とともに生きる小児と支える家族に関する研究
- 子どもへのpsychological preparationやdistractionに関する研究
- 小児がん患者と家族の意思決定や復学支援に関する研究
- 医療的ケア児の生活や養育者、家族に関する研究
- きょうだい児に関する研究
- 小児(NICU, GCU, PICU,幼児,学童,思春期)病棟における望ましい看護のあり方に関する研究

地域健康・公衆衛生看護学
すべての人々のWell-beingを実現する社会をめざし、人々の生活・健康を取り巻く社会的課題に取り組んでいます。
主な研究テーマは、慢性疾患の地域療養支援やシステムの評価、たばこの卒煙・防煙活動、HPVワクチンの接種促進、がん検診等の通知改善、過疎・島しょ地域のケアシステム、災害時支援専門職の健康、社会的孤立の予防、プラネタリー・ヘルス教育等、ナッジ(行動変容理論)を取り入れたプログラム開発やエビデンスに基づく政策提言にも力を入れています。大学院生の研究も多様で、労働者や事業場、学校を対象とした研究、ジェンダーや子育て、介護に関するテーマにも取り組み、国際共同研究も行っています。

グローバルヘルス看護学
本研究室は、身体と精神、病院と地域、日本と世界といった従来の看護領域の境界を超えて、グローバルな視点から看護を科学し、新たな実践モデルを探究しています。在留外国人糖尿病患者の増加に対応するため、アジア諸国からの患者の療養ニーズを言語・文化・経済的背景から解明し、効果的な自己管理支援ツールの開発を進めています。
また、糖尿病と歯周病の関連性に注目し、看護師・歯科衛生士向けの口腔管理支援ガイドと教育プログラムを開発し、医科歯科連携による包括的健康管理の実現に取り組んでいます。さらに、統合失調症者のストレングスに着目した看護教育プログラムを開発し、医療チーム全体のリカバリー支援能力向上により、患者が新たな人生の価値を見出せる支援体制構築を目指しています。

療養調整看護学
人生に寄り添うケアを、研究から
― 子どもから高齢者まで、すべての人の“これから”のために
当研究室では、小児期発症疾患をもつ方の成人移行支援、特に成人先天性心疾患の診療体制や専門医制度、教育支援のあり方を中心に研究しています。
さらに、認知症のある方とその家族への支援、重症患者や終末期患者への緩和ケアなど、人生のさまざまな局面に関わる課題解決に取り組んでいます。全国実態調査、自然言語処理を含む質的研究、ビッグデータ研究や介入研究を実施し、患者さんや市民と共に課題を考える「PPI(患者・市民参画)」にも力を入れています。
病とともに生きる人々の声に耳を傾け、医師や看護師、多職種、当事者、企業と連携しながら、より良いケアの形を探る ― それが私たちの目指す研究です。

複数の全国調査

ビッグデータを用いた研究
