からだの死細胞を取り除く仕組みの解明
筑波大学 医学医療系(生命科学動物資源センター) 濱田理人 助教、Tran Thi Nhu Mai 博士、白石莉紗子 修士、全孝静 修士、高橋智 教授らは、白血球の一種であるマクロファージが死細胞の除去機能を発揮し、難病に指定される全身性の自己免疫疾患を抑制するにあたっては、遺伝子発現を調節するたんぱく質MafBが必須であることを明らかにしました。
本研究グループは、マクロファージ内でMafBが死細胞や死細胞成分に活性化されたたんぱく質のシグナルを受け取り、補体C1q遺伝子の発現を制御することで、マクロファージが死細胞を認識することを明らかとしました。マウスの実験でMafBのはたらきを抑えると、マクロファージが死細胞を食べることができず、このマウスは自己免疫疾患になることを突き止めました。これらの結果は新しい自己免疫疾患治療法開発の基盤につながるものと期待されます。
図 MafB はマクロファージの核内でC1q 遺伝子(C1qa, C1qc, C1qb) を転写制御する。マクロファージはC1q を直接細胞外に放出する。C1q は死細胞を認識し細胞表面に結合する。マクロファージはC1q が結合した死細胞を貪食する。
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