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研究内容RESEARCH

遺伝子改変マウスの作製

マウスはヒトとの遺伝的相同性が高いため、ヒトのモデルとして多くの医学・生命科学研究で利用されています。また、他の哺乳動物に比べて遺伝子改変が可能であったことも、マウスが実験用動物として広く利用される様になった大きな要因です。

特に有名な遺伝子改変マウスは、特定の遺伝子のみを人為的に欠損させたノックアウト(Knock-Out: KO)マウスです。このKOマウスの作製技術は、1980年代の終わりから1990年代初頭にかけて確立され、革命的な技術として様々な研究の進展に多大な影響をもたらしました。現在では数万種類のKOマウスが世界各地の研究所・大学・製薬企業等で使用されるまでになりました。

私達、実験動物学研究室が所属する生命科学動物資源センターは年間約100件のKOマウスを作出する日本随一の遺伝子改変マウス作出拠点です。ここで私達は、
受精卵や配偶子(精子と卵子)胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を日々操り、世界中の研究者に遺伝子改変マウスを届けています。加えて、最新のゲノム編集ツールであるCRISPR/Cas9を利用した遺伝子改変マウス作製法を開発しています。

関連論文1, 2, 3










Creマウスリソースの開発

胚(胎児)の発生に重要な機能を持つ遺伝子を欠損させたKOマウスは、出生前に致死します。単純なKOマウスを用いた解析では、それら遺伝子の成体における機能を明らかにすることができません。そこで用いられる技術が条件付きノックアウト(conditional KO: cKO)です。cKOシステムでは、LoxP配列に挟まれた遺伝子領域がCre酵素依存的に染色体より脱落する反応を利用します。実際には、特定の遺伝子領域の上流と下流に34 bpのLoxP配列がそれぞれ導入された「floxマウス」と、組織・時期特異的にCre酵素を発現する「Cre-driverマウス」との交配によりcKOマウスが作出されます。

各種「Cre-driverマウス」におけるCre酵素発現部位はcKO実験の要です。現在までに500系統近い「Cre-driverマウス」が利用可能となっています。しかしながら、そのうちの多くの系統では、どの組織・時期でCre酵素が発現しているのか正確に評価されいません。

私達は、2色の蛍光により高精度かつ効率的にCre組換えを評価できる
GRRマウスを開発しました。このマウスを利用して複数の「Cre-driverマウス」の網羅的な解析『アトラス化』を行っています。さらに、ゲノム編集による「バイシストロニックCreドライバーマウス」の開発を精力的に進めています。

関連論文1, 2










突然変異マウスの順遺伝学的解析

受精からおよそ20日の妊娠期間を経て誕生したマウスは、2ヶ月程度で性成熟を迎えます。また、一度の出産で5から20匹の産仔が得られます。この様にして、多数のマウスを飼育施設中で増やしていく過程で、偶発的に突然変異個体を得ることがあります。特に、毛に関する異常(アルビノや白斑、長毛や短毛)と異常行動(痙攣発作や反復行動)は発見が容易です。これら異常形質を示す突然変異個体からその原因遺伝子を特定することは、疾患の分子メカニズムの解明に役立ちます。

まず異常な形質を発見し、その原因遺伝子を探索する手法は順遺伝学的解析と呼ばれます。これに対し、特定の遺伝子を破壊したKOマウスを作製し、その影響を解析する手法は逆遺伝学的解析と呼ばれます。

本研究室において、3系統の突然変異個体が出現しました。私達は、それぞれの系統を順遺伝学的に解析することで、@反復行動性と左右の大脳半球をつなぐ脳梁の欠損異常を示した
TAS系統の原因遺伝子がCables1であること、A常染色体劣性形式で長毛形質を示すmoja系統の原因遺伝子がfgf5遺伝子であること、Bヘテロ変異体が腹部白斑形質を、ホモ変異体が初期胚致死形質を示すWS系統の原因遺伝子がExoc1遺伝子であることを明らかにし、現在その分子メカニズムを解析しています。



関連論文1, 2, 3, 4

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