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臨床
重症心不全・VAD・IMPELLA

心不全とは

【担当医師】
山本 昌良

心臓は内臓や組織に血液を送りだすポンプの役割をしています。心不全とは心臓の働きが悪くなった結果、体が必要とする血液を送り出すことができず、息切れやむくみなどの症状がおこる病気です。最終的には内臓の機能低下から生命を縮めてしまいます。心不全の原因には狭心症、心筋梗塞といった虚血性心疾患、拡張型心筋症を代表とする特発性心筋症、心臓弁膜症など多くの疾患があります。重症心不全とは、従来の内科治療や外科治療では病気の進行を食い止められず、高度に心臓の働きが低下した結果、日常生活に支障をきたすようになった状態のことを言います。

治療

現在、心不全に対しては薬物治療以外の多くの選択肢(非薬物治療)があります。代表的な非薬物治療にはペースメーカを用いた心臓再同期療法 CRT(Cardiac Resynchronization Therapy)、心臓の瘢痕化した部分を切除する左室形成術、後述する補助人工心臓や心臓移植が挙げられます。重症心不全患者の予後の改善には非薬物治療が重要となりますが、すべての患者様に効果が得られるとは限らないため、心不全の専門家による各治療方法の適応検討が必要となります。

重症心不全に対する補助人工心臓治療

左室補助人工心臓 LVAD (Left Ventricular Assist Device)

LVADは、高度に低下した心臓を補助するために心臓に装着する機械です。LVADには、「体外設置型(体外式)」と「植込型」があります。
当院では2018年12月現在、体外式LVADが7例(2015年より開始)、植込型は3例(2017年より開始)の実施成績があります。

体外式LVAD

体外式LVADは、臓器障害を伴うような急激な心不全増悪に対して、救命の目的で速やかに導入することが可能です。しかし、駆動装置が大きいために装着した状態では自宅への退院ができない点や、ポンプの中に血栓ができやすく血栓症を起こしやすい等、合併症のリスクが高いという欠点があります。そのため、装着後はLVADからの離脱に向けて薬物治療の強化を行う、もしくは心臓移植の適応が取得可能な場合は適応取得後に後述する植込型補助人工心臓への切り替えを目指します。

植込型LVAD

一方、植込型LVADは小型化されており、細いケーブルが体外に出ているものの、ポンプ自体は体内に植え込みます。体外式LVADと比べて血栓症のリスクが低く、装着したままでも自宅退院が可能であるという利点があります。2018年現在、植込型LVADによる治療を受けるためには日本循環器学会 心臓移植適応検討委員会から心臓移植の適応を取得していることが条件となります。筑波大学附属病院は心臓移植実施施設ではありませんが、近隣の心臓移植実施施設と密に連携し、2018年12月現在までに8例に心臓移植の適応を取得しております。心臓移植適応の取得には、65歳未満で、重度の腎機能障害・肝機能障害がない、家族から十分なサポート体制が得られる等のいくつかの条件を満たす必要があります。また、心臓カテーテル検査を含めた多くの事前検査が必要となるため、状態が非常に悪化する前に準備を始めることが望まれます。

患者さんの
紹介に
ついて

現在は心不全には多くの治療の選択肢があります。心不全診療に難渋されている患者さんを是非、当科までご紹介ください。心不全診療の専門家がそれぞれの患者さんに対する最良の治療方針を検討いたします。また、いかなる治療にも抵抗性の重症心不全においては心臓移植の適応を検討いたします。緊急を要する患者さんに関しては下記までご連絡いただけましたら、担当医にお繋ぎいたします。
 循環器内科医局 
TEL:029-853-3143

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