臨床実習前の実技能⼒を評価
- 国家試験を受験する前に医療現場で実習を行う「臨床実習」は、医療専門職の卒前教育において重要な位置を占めます。
- 医師、歯科医師、薬剤師の養成においては、臨床実習に参加する学生の技能を評価するために「客観的臨床能力試験」がすでに導入されています。
- 理学療法士や診療放射線技師の一部の養成機関では、臨床実習の前後に客観的臨床能力試験が実施されています。
- 筑波大学医療科学類ではObjective Structured Laboratory Examination(OSLE)と呼んでいる客観的臨床能力試験を臨床実習の前に実施しており、全国の臨床検査技師養成機関に横展開するための試みを継続しています。
視覚教材
- 医療科学類の学生はOSLEの前に、医療科学類実習委員会が作成した「OSLEの手引き」を使って、それまでの学習内容を振り返るとともにOSLEの評価項目を確認します。その際、筑波大学附属病院検査部の協力を得て作成された「視覚教材」(最終更新は2021年度。2022年度以降はStreamに移行。)が活用されることを期待します。
【平成30年度作成】マイクロピペット操作法/試験紙法による尿定性検査/屈折法による体液比重検査/手指洗浄法/無菌操作法/各種滅菌法(火炎、乾熱、オートクレーブなど)/グラム染色方法と特殊染色方法(チールネルゼン)/分離培養・増菌培養・特殊培養/静脈採血/採取容器(抗凝固剤)の選択/末梢血塗抹標本作成・普通染色/心電図検査
学生ワークシート
- 能動的な学修を促す仕組みを取り入れて、実技能力を効率良く身につけさせるための学生ワークシートを開発した。
- ワークシート型eポートフォリオ「まなびシート」(アンザスインターナショナル)と、すでに作成していた視覚教材を組み合わせ、オンラインで提供する学生ワークシートとした。
- ワークシートとして、2020年4月に発出された「臨床検査技師学校養成所カリキュラム統改善検討会報告書」で“臨地実習において必ず実施させる行為”に挙げられた①標準12誘導心電図検査、②血液塗抹標本作成と鏡検、③尿定性検査、④培養・Gram染色検査、ならびに“臨地実習において実施させることが望ましい行為”に挙げられた、⑤採血室業務に関するものを開発した。
2019年度 日臨技首都圏支部・関甲信支部医学検査学会(第56回)にて、学生の臨地実習に向けた準備状況と、臨地実施指導者による実習指導の現状について調査したアンケートの結果を報告しました。
第14回日本臨床検査学教育学会学術大会(2019年8月21日)にて、筑波大学での5年に及ぶ客観的臨床能力試験の取組を発表する招待講演が行われました。