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大学院

活性酸素の
病態生理研究室

我々の研究室は研究棟の764、871にあります。

私は大学院時代につくばにある2つの研究室で学びました。一つは理化学研究所細胞材料室、もう一つは浜松ホトニクスつくば研究所です。
理研では細胞培養のイロハを学び、ラッキーなことにラット正常胃粘膜から上皮細胞RGM1を樹立することができました。この細胞は世界16国150以上の研究室で研究材料として用いられています。のちに下川治先生がこの細胞のがん様変異株を樹立し、同じゲノム由来の(遺伝子操作をしていない)がん‐正常細胞ペアとして、がんの特異性をつまびらかにするのに役立ってきました。

浜松ホトニクスでは光生物学を学びました。正常胃粘膜でも活性酸素に曝露されるとヘムの鉄錯体が崩壊し、蛍光性のあるポルフィリンになることを示したのが学位論文です。
私のかかる基本に基づき、研究室ではがん細胞特異的なヘム・ポルフィリン代謝における活性酸素の役割について解明しています。35年かけて「がんが光る」現象の機序についてはほぼすべてをこの研究室で解明しました。

現在ポルフィリンの視認性の良さを利用し、生体結合性を高めた手術用マーカー、PDT薬剤の開発を物質材料研究所と進めています。
またアミノレブリン酸のがん集積性を利用して窒素安定同位体15Nを送達し、陽子線を照射して核共鳴反応を惹起せしめ、陽子線のプラグピークの50倍の殺傷性をがん細胞特異的にもたらす新しい治療法iPDTの開発を産総研、放射線腫瘍科、乳腺外科、脳神経外科と行っています。この課題は現在リサーチユニットとしての立ち上げを行い、さらに開発研究センター化を達成すべく外部資金調達を進めているところです。


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