社会精神保健学分野では、大学院生を募集しています。
現在所属している学生は、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理士、保護司など,専門家として精神保健の現場の第一線で働きながら、週数回集中して大学に通い研究活動を行っている社会人大学院生が多数を占めます。一方で純粋に学部から大学院に進学して研究活動に専念する大学院生もおり、さまざまなタイプの学生が自分のペースで研究に取り組んでいます。
学位を取得した学生は、大学に教員として赴任する者、研究所に研究員として就職する者、再び現場の第一線に復帰する者とさまざまですが、それぞれ大学院で取り組んできた研究を何らかの形で新しい自分のキャリアに生かしています。
本研究室で研究を行うには,下記の2つの方法があります。
1.人間総合科学学術院 ヒューマン・ケア科学学位プログラム(3年制の博士後期課程)への入学
2.人間総合科学学術院 公衆衛生学学位プログラム(修士課程)への入学
さまざまな心理的な問題を持つ人に対する実践的な評価・援助や、社会的観点からの制度・援助体制の問題に関心をお持ちの方、お気軽に研究室までお問い合わせください(左記研究室メールアドレスまでご連絡下さい)。特に受験を考えておられる方は、必ず事前にご相談ください(入試は8月と2月に開催されますので、時期も考慮しながら早めにご連絡ください。ただし8月期がメインで、2月期入試は開催されないこともあります)。
お問い合わせ頂いた後は、教員との相談を兼ねて一度ゼミ見学にお越しいただくことをお薦めします。当研究室では毎週火曜の夕刻(おおよそ17:00-20:00くらいまで)に大学院生向けのゼミを開催しております。また進学希望者対象のオープンキャンパスが、毎年それぞれ修士課程(4月と6月の2回)と博士課程(6月に1回)で開催されておりますので、ぜひそちらへの参加もご検討下さい(詳細は各専攻のページにてご確認下さい)。
※コロナウィルス関係でオープンキャンパスの形式がオンラインに変更される可能性があります。適宜当該ホームページをチェックしておいてください。
そうだ、筑波へ行こう!
道重さおり(2020年度博士修了)
私が博士課程への進学を志したのは,刑務所の心理職として働く中でアルコールの問題を抱える受刑者のグループワークを担当するようになり,依存症とは?罪を償うとは?という壮大な課題に直面したからです。刑務所で何をやっても変わらないのだから,とりあえず罪名に関するグループワークを受けさせれば良いという意見を持つ人もいましたし,刑務所だからこそアルコールの問題に向き合うきっかけになる働き掛けをという思いを共有できる仲間もいました。けれども,どのような取り組みが効果的であるのか?そもそも効果とは何をもって効果があるというのか?受刑者は別に求めていないよね?等々,容易に答えがでるような問題ではなく悶々と過ごす日々がしばらく続きました。そうした中でも自分なりに同じようなテーマで研究されている先生方の論文を探し,森田先生の論文に出会い,実務を通して感じる課題を研究したいと強く思うようになりました。もともと,思い立ったら即行動するタイプですので,決めてから迷うことはありませんでした。先生方とは全く面識もありませんし,筑波には縁もゆかりもありませんでしたが,オープンキャンパスに申込み神戸から筑波へ向かいました。
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研究ド素人のアラフォー女、博士課程奮闘記〜仕事と子育て、そして親の介護と共に駆け抜けた私の3年6ヵ月〜
新田千枝(2019年度博士修了)
2019年9月、私は長年の夢だった博士号(ヒューマン・ケア科学)を取得しました。これには多くの先生方、また研究を手伝ってくださった大学院生の皆さん、家族、友人、そして調査にご協力してくださった皆さまの支えのおかげです。本当にありがとうございました。
謝意を示せたところで、本題に入ります。以下、「研究ド素人の子持ち、仕事持ちアラフォー女がどうやって、このステキな「筑波大学社会精神保健学」研究室にたどり着いて、博士号を手にしたのか?」について記します。単なる一事例に過ぎませんが、博士課程進学を迷っている方、研究室探しをされている方の、お役に立てれば幸いです。 →続きを読む
3足の草鞋の履き心地(遠距離・大学院・社会人)
野村照幸(2017年度博士修了)
「10」。この数字は何を意味するでしょうか?私にとって非常に重要な数字です。この数字については後ほど紹介します。
私がこのエッセイで伝えたいことは以下の3つです。
@当研究室の特徴や授業、ゼミの実際
A当研究室で学ぶ意義
B関心を持っていらっしゃる方へのメッセージ
皆さんが少しでも当研究室での大学院生活をイメージでき、関心を持ってくだされば幸いです。
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ヒューマン・ケア科学で学ぶこと
玉井紀子(2012年度博士修了)
(「ヒューマン・ケア科学専攻への招待」より抜粋)
私は、対人援助の現場に心理の立場から10数年関わった後、筑波大学大学院のヒューマン・ケア科学という研究の場に足を踏み入れました。自分がこれまで現場でやってきたことを、少し距離をとって眺めてみる、整理する、新たな方向性を探る、動機としては様々なものがあったように思います。現場と一口に言っても、医療、教育、福祉、司法・矯正など、いずれも少しずつ関わってきた私にとっては、どこを自分の足場にするのかを決めるいい機会でもありました。
福祉現場である児童養護施設での心理職としての経験は、虐待から生じる子どもの行動や、それを取り巻く環境への関心へと結びつきました。現在、児童養護施設の入所児童の半数以上が被虐待児だと言われています。施設という集団生活にあって、成育歴の影響や施設自体の環境から、行動化や精神症状を呈する子どもたちも増え、「保護」をするという従来の目的だけでは、対応が難しくなっています。 →続きを読む
地域の声を聴く〜精神障害者当事者活動の展開地域で生きた5年間〜
種田綾乃(2011年度博士修了)
(「ヒューマン・ケア科学専攻への招待」より抜粋・イラストも本人による)
新千歳空港からバスで4時間、太平洋沿岸の小さな町に、積極的な地域活動を展開する精神障害者の当事者団体があります。「精神医療の先駆的な実践」と称されたこの団体に興味を持ち、大学生時代、私は見学者としてこの団体を訪れ、町の教会でメンバーと寝食を共にし、交流を重ねました。
大学院に進学し、研究テーマを模索し大学周辺の障害者関連施設で障害者の地域生活支援に携わる中で、社会に根強く存在する障害者に対する社会的偏見に直面します。―精神障害者による積極的な活動の展開されるあの地域では、住民と精神障害者とがどのように関係性を築いているのだろう―先駆的な一地域の実情に、今後の他の地域での活動にも通じる「何か」を得たいという思いから、研究は始まりました。 →続きを読む
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総合研究棟D743室
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